- イデオロギーと知識の社会学
- マルクス社会理論の動態的把握
- 日本の稲作農村の農業組織、村落構造、農民意識、営農志向の研究
- 中国華北農村の地域研究
- カルチュラル・スタディーズの展開
イデオロギー 社会意識 稲作農村 生産組織 営農志向 中国農村
博士(文学)
知識や情報の一形態であるイデオロギー(現実を隠蔽する体系化された思想や信念)をとらえるために、その分析枠組みにかんする基礎的な研究をおこなっています。これまでは、マルクスの『ドイツ・イデオロギー』を中心に検討してきました。これは初期に執筆されたものですが、かれの主要な著書の一つです。
それの文献考証・基本概念の理解・イデオロギー把握の方法などについて、通説的な理解のもつ難点をとりあげて私なりの解釈を示しています。
これからはマルクスの時事評論や中後期の文献にまで広げて、かれが実際にいろいろなイデオロギーを分析した手法を追跡していくつもりです。現在自主ゼミで『ドイツ・イデオロギー』を読んでいます。
(1) 現代日本農村における農業組織や農民意識について調査研究をおこなっています。これまではおもに山形県庄内地方をフィールド(調査対象)として、ケーススタディ(事例研究)の手法によりながら、最近の農村地域社会の変動経過を実証するとともに、農業生産組織や農民自身の意識形態のあり方を研究してきました。こうした調査は、大学院生もはいったチームを作って協同でおこなうのが基本ですが、個人で動いたりもしています。これからは、生産組織の分析に限らずに、流通組織や消費者とのかかわり、農民意識のあり方を当事者のライフヒストリー(個人史)と重ね合わせながらとらえていく作業をしていくつもりです。また、地域自治という観点から新たに取り組み始めたところです。
(2) 中国華北地方(主として河北省と山東省)の農村地域を調査研究しています。これまでは日本の農村社会と中国の農村社会との国際的な比較、中国農村社会の急激な変動と今後の展望の把握、などをねらって日本側研究者と中国側研究者との協同で現地調査を実施してきました。中国の農村・農家は「改革開放」のもとで市場経済化の荒波を受けて多様な形態をとっています。これからは農家の相互の結合のあり方を「合作社」の形成というテーマで追求していくつもりです。
上記の1と2とを融合させる、また現代社会の思想状況を概括する、という課題に取り組もうと、これまでは農村研究者の竹内利美の著作を読む、あるいはカルチュラル・スタディーズを検討する、といった自主的な勉強会を開いてきました。これからはこうした勉強会とともに戸坂潤の仕事を見直す作業をすすめるつもりです。
1951年 栃木県生まれ。
1981年 東北大学 大学院 文学研究科 博士課程 単位取得退学。
三育学院短期大学大阪外国語大学を経て1993年東北大学助教授2003年同教授。
2010年05月26日最終更新